集客が難しい8月を逆転のチャンスに!住宅展示場夏休み戦略

集客が難しい8月を逆転のチャンスに!住宅展示場夏休み戦略

以前から、住宅展示場にとって8月は集客が厳しい時期だと言われてきました。
お盆の帰省をきっかけに親御さんと住まいについて話しながら展示場を訪れる方も一部にはいますが、全体的に見ると来場数は減少傾向にあります。

また、「ニッパチ」と呼ばれる2月・8月は商売が冷え込む時期とも言われ、住宅業界にとっても対策が求められる時期です。

しかし、少しの工夫で、夏休み期間中に家族連れを呼び込み、展示場を楽しんでもらう方法はあります。
費用を抑えつつ、将来の家づくりに役立つ情報を得られる――まさに「住まいのテーマパーク」としての総合住宅展示場の出番です。

本記事では、なぜこの時期の集客が難しいのかを改めて整理しながら、家族連れの来場を促すための具体的な工夫や、最新のモデルハウスが持つ提案力、そして変化するユーザーの住宅意向についてご紹介します。

住宅展示場の本来の役割とは?集客だけではない多面的な価値

住宅展示場といえば、モデルハウスを通じて顧客を獲得するための販促の場という印象が強いかもしれません。しかし、その役割はそれだけではありません。

展示場は、企業のブランドイメージを伝える場であり、会社紹介の拠点であり、さらに来場者の反応やニーズから市場のトレンドを把握する情報収集の場としても機能します。

また、来場者のすべてが今すぐの具体的な検討客とは限りません。
新築住宅だけでなく、中古住宅の購入やリフォームを検討している人、あるいは「将来家を建てたいけど、まだイメージが湧かない」といった、検討初期のユーザーも多く訪れます。

そうした幅広い層が気軽に展示場を訪れることで、成約以外のさまざまな接点や波及効果が生まれる——これこそが、住宅展示場が本来持っていた価値なのです。

変化する住宅購入ニーズ|中古戸建が注目される理由とは?

近年、住宅購入者の意向に大きな変化が見られます。
住宅金融支援機構の調査によると、フラット35利用者のうち「中古戸建住宅」を選んだ割合は、2013年度の5.8%から2023年度には15.3%へと約3倍に増加。一方で「注文住宅」は、同じ期間に23.3%から15.1%へと減少し、中古戸建とほぼ同水準になりました。

この背景には、新築住宅の価格高騰に加え、性能面でも満足できる中古住宅が市場に増えていることが挙げられます。

特に気になるのが耐震性ですが、2000年に建築基準法が改正され、それ以降に建てられた住宅は現行の耐震基準を満たしているとされています。
また断熱性能においても、1999年に大幅な改正があり、二重サッシや複層ガラスの採用が標準に。2003年には換気システムの義務化も施行され、現在とほぼ同等の性能を備えた住宅も多く流通しています。

これらの要素が、中古戸建住宅を「コストパフォーマンスに優れた選択肢」として再評価させている要因といえるでしょう。

最新のモデルハウスから学ぶ!今の暮らしに合った住まいの工夫とは

中古住宅を購入してリフォームやリノベーションを検討する際、多くのユーザーが「どこをどう変えれば快適になるのか」「何を参考にすればいいのか」といった悩みを抱えています。

そんなとき、暮らし方のヒントを得る場として頼りになるのがモデルハウスです。
最新のモデルハウスには、現代のライフスタイルに合わせた間取りや設備機器、収納の工夫など、リアルで実用的なアイディアが詰まっています。

たとえば最近では、パントリーやランドリールームが標準仕様として採用されていることも珍しくありません。

かつてキッチンには床下収納が多く使われ、味噌や果実酒などの冷暗所保存に使われていましたが、住宅の断熱性能が向上したことで床下温度が下がりにくくなり、その役割が薄れた結果、より使いやすく容量の多いパントリーへと変化しています。

また、ランドリールームも注目されています。
以前は洗濯機を洗面所に置き、洗濯物をベランダに干すのが一般的でしたが、共働き世帯の増加や花粉対策の需要から、室内干しが主流に。洗濯・乾燥・仕分けを一カ所で完結できるランドリールームが求められるようになっています。

このように、最新のモデルハウスには今の暮らしにフィットする住まいの工夫が数多く盛り込まれており、中古住宅を検討している方にも十分に参考になる内容が詰まっています。

中古住宅を選ぶからといってモデルハウスを見に行かない理由はありません。まずは、気軽に足を運び、リアルな空間で住まいづくりのヒントを得るきっかけをつくることが大切です。

住まいの総合相談窓口としての住宅展示場|夏休みは来場促進のチャンス

総合住宅展示場の理想的な姿は、新築住宅だけでなく、リフォームや中古住宅のリノベーションなど、住まいに関するあらゆるニーズに応えられる「総合相談窓口」であることです。
とはいえ、展示している住宅会社の中には、新築に特化している企業もあれば、リフォーム部門を併設している企業もあり、対応範囲はさまざまです。

それでも、住宅展示場にはユーザーが自由にモデルハウスを見学し、話を聞くことができる環境があるという点で、非常に価値のある場所といえます。
住まいづくりをまだ具体的に考え始めていない方でも、実際の空間を体験することで「家づくりへのヒントや方向性」が見えてくる場合も多くあります。

そうした展示場の魅力を最大限に活かすためにおすすめなのが、夏休み期間の集客強化です。
家族で出かける機会が増えるこのタイミングは、展示場を訪れてもらう“きっかけづくり”として非常に有効です。

「住まポ」を活用した夏休みスマート見学会で8月集客を加速する

夏の集客施策として効果が期待されているのが、「夏休みスマート見学会」です。
これは、家族みんなで住宅展示場に気軽に足を運びながら、将来的な家づくりへの関心を高めてもらうことを目的としたイベントです。

この見学スタイルのカギとなるのが「住まポ」の導入です。
モデルハウスに設置されたQRコードをアプリで読み取るだけで入館が完了し、紙のアンケート記入や個人情報の事前提出が不要になるため、来場者の心理的なハードルを下げることができます。

見学後には、アプリを通じて気になった住宅会社に資料請求や問い合わせも簡単にできるため、ユーザーは自分のペースで情報収集が進められます。
また住宅会社側も、住まポを活用することで、来場者へお知らせ通知やキャンペーン情報の配信を通じて継続的な接点を持つことが可能です。

このように、「夏休みスマート見学会」は、展示場の来場促進と顧客フォローの仕組みを両立できる効果的な集客施策です。
9月・10月の本格的な需要期に向け、ユーザーの検討意欲を高める起点として、ぜひこの夏の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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