【家づくりを楽しむ体験へ】展示場の価値を高める新しい集客施策

【家づくりを楽しむ体験へ】展示場の価値を高める新しい集客施策

現在、多くの総合住宅展示場では、モデルハウスの見学を促すためにさまざまなイベントを企画しています。キャラクターショーやアクセサリー製作といったカルチャーイベント、来場者プレゼントの実施など、「まずは展示場に足を運んでもらうこと」を第一の目的とした、きっかけづくりや話題性を重視した取り組みが主流となっています。

もちろん、こうした施策は集客という面では一定の効果をもたらしますが、実際にこれから家づくりを検討する方々にとって本当に必要なのは、多様なモデルハウスを実際に見て回り、「自分たちにはどのような暮らし方が合っているのか」を具体的にイメージすることです。

住宅の性能や機能を比較検討しながら、「自分たちにとって本当に必要なものは何か、逆に必要でないものは何か」をじっくりと見極めていくことが、満足のいく住まいづくりには欠かせません。

今後は、集客施策だけでなく、見学者一人ひとりが“自分たちの暮らし”を深く考えるきっかけとなるような、より本質的な体験や情報提供が求められていくでしょう。

「高性能=最適解」ではない:家づくりの本質を見つめ直す

家づくりを考えるうえで、自分たちのライフスタイルに合った住まいを選ぶことの重要性は、車の購入を例に挙げると分かりやすいかもしれません。

例えば、400馬力の高性能なスポーツカーは見た目も格好良く、走りも抜群です。しかし、家族でキャンプに出かけることが多い方々にとっては、荷物が十分に積めず、家族全員が快適に移動することができません。本当に必要なのは、「高性能」であることではなく、「快適に移動できる」「必要な荷物がしっかり載る」といった、自分たちの使い方に合った性能や機能なのです。

さらに、駐車スペースの制約なども考慮すると、最適な選択は高性能なスポーツカーではなく、軽ワゴンのアウトドア仕様かもしれません。そしてその上で、自分の感性に合った車種を選ぶことで、満足度の高いカーライフが実現するのです。

住宅においても、同じことが言えます。しかも、住宅は車以上に選ぶのが難しい存在です。多くの人が、自分たちの暮らしを起点に「こういう暮らしがしたい」と考えるのではなく、カタログなどで目にした素敵な設備や仕様を漠然と「良い」と思い込んでしまいがちです。つまり、住まいを単なる“器”として見てしまうと、家づくりへのモチベーションが上がりにくいのです。

逆に、「この家に住むことで、生活がこう変わる」「もっと快適になる」「便利になる」「安心できる」といった暮らしのイメージが明確であれば、家づくりへの関心も、自然と高まっていくはずです。

住宅展示場見学

体感から「気づき」へ:今後の住宅展示場に求められるイベントとは

こうした観点から、これからの住宅展示場に求められるのは、「楽しさ」だけではなく、「自分たちの暮らしがどう変わるのか」を具体的に実感できる体験型のイベントです。

たとえば、キッチンに関する展示であれば、パントリーにどれだけの物が収納できるのかをリアルに見せることが効果的です。モデルハウスでは、見た目の美しさを優先してディスプレイがオシャレにまとめられがちですが、実際の生活を想定した「現実的な収納例」を示すことで、来場者が自分たちの暮らしに引き寄せて考えやすくなります。

具体的には、パントリーの中にペットボトル、インスタントラーメン、缶詰、お酒やお菓子、乾物、キッチンペーパー、ラップなど、日常的に使う物がどれだけ入るのかをクイズ形式で展示。楽しみながら、収納力や利便性を体感してもらえます。

ランドリールームであれば、ガス衣類乾燥機を使った場合の乾燥時間、物干しスペースに掛けられる衣類の数、仕分け棚に入れられる服の量など、実際の使い勝手を具体的な数字で示すことで、よりリアルなイメージを来場者に持っていただけるでしょう。

こうした情報を各モデルハウスにパネル形式で掲示し、展示場全体を回るクイズラリー形式にすれば、楽しさと現実的な気づきの両立が可能になります。来場者が「この家で暮らすと、こんなに便利で快適になるんだ」と実感できるイベントは、家づくりのモチベーションを高め、より良い住宅選びへと導いてくれるはずです。

展示場の多様性がもたらす価値

住宅展示場に訪れるお客様の家づくりのスケジュールや目的は、実にさまざまです。今年中に家を建てたい方もいれば、来年以降に検討を始めたいという方、お子様の成長に合わせてじっくりと時間をかけて考えたいというご家族もいます。

また、「新築住宅を建てたい」という方だけでなく、「リフォーム」や「建て替え」を検討している方も少なくありません。その多様なニーズに応えられるのが、複数のモデルハウスを一度に見学できる総合住宅展示場ならではの強みです。

まずはさまざまなモデルハウスを見学し、自分たちの理想の暮らし方をじっくりと考え、必要に応じて専門家に相談しながら、自分たちにとって最適な住まいを見つけていく。総合住宅展示場は、住まいに悩みや課題を抱えるユーザーにとって、心強い味方となる存在です。

しかし現在は、「見学に行くと強引なセールスをされるのでは」という不安から、展示場に足を運ぶことに抵抗感を抱く方も増えています。こうした不安を取り除き、来場者の心理的ハードルを下げることが、これからの展示場に求められる重要なテーマとなっています。

「住まポ×スマート見学会」で変わる展示場の価値 :モチベーションを高める体験へ

そこで注目されるのが、展示場での見学をより気軽に、安心して体験できるイベント、「スマート見学会」の導入です。このイベントは、住宅検討ユーザーと住宅会社の架け橋となるアプリ「住まポ」を活用し、セールスされる心配なく、自由にモデルハウスを見学できる新しいスタイルを提案しています。

来場者は、各モデルハウスの前に掲示されたQRコードをスマートフォンで読み取るだけで、簡単に資料を取得したり、モデルハウスの情報をアプリ上で確認したりすることが可能です。さらにアプリ内での資料請求やイベント参加登録、アンケートの送信などがスムーズに行えるため、ユーザーの利便性も大幅に向上します。

住宅会社側も、アプリを通じたプッシュ通知やフォロー機能を活用することで、接触機会の増加、名簿化、そしてユーザーのニーズに合わせた情報提供が可能になります。これにより、より多様な層の見込み顧客を的確に捉えられるようになります。

さらに、前述のような「体感型のクイズラリーイベント」と組み合わせることで、来場者は楽しみながら住まいづくりを考えるきっかけを得ることができ、イベントそのものの満足度も高まります。

「住まポ」を活用したスマート見学会は、家づくりを真剣に考えるユーザーにとっての背中を押すきっかけとなり、総合住宅展示場全体の価値を引き上げる施策として、今後の注目イベントの一つです。

是非、家づくりを「楽しめる体験」へと昇華させるイベント企画に取り組んでみてください。

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