新築価格高騰時代の住宅営業|モデルハウスで暮らしを体感してもらう方法

新築価格の高騰が話題になり、ユーザーの家づくりに対するモチベーション低下が気になるようになってきました。建築費や土地価格の上昇により、「今は様子見」「もう少し貯金してから」「賃貸のままでいいかもしれない」と考える人が増え、モデルハウスの来場数に悩む住宅会社も少なくありません。
しかし、ここで考えたいのは、本当にユーザーは家づくりに興味を失ったのでしょうか。実際にはそうではありません。多くのユーザーは、家が欲しくなくなったのではなく、「高額な買い物だから失敗したくない」「自分たちに本当に必要なのか分からなくなった」という不安から、行動を止めている状態です。
だからこそ、今の集客では「家を売る」「性能を伝える」だけでは足りません。必要なのは、「家を建てるとどんな暮らしが手に入るのか」を体感してもらうことです。
目次
暮らしを体感してもらうためのモデルハウス
モデルハウスは、ただ最新の住宅として、あるいは間取り提案だけで見てもらう場所ではありません。常にその根底には、「こういう暮らし方に最適な住まいです」という、暮らす人のことを考えた提案が必要です。
見学ユーザーとの対話の中で、趣味や嗜好、家族構成、休日の過ごし方などが分かってくれば、そのポイントをついた「暮らし方の提案=快適な住まいのあり方」という話ができます。つまり、モデルハウスで伝えるべきなのは、設備や性能の説明だけではなく、その住まいで実現できる暮らしのイメージです。
ここからは、見学ユーザーの関心に合わせて提案しやすい切り口を紹介します。
子育て家庭には「リビング学習のある暮らし」を提案する
例えば、小さなお子様のいる家庭で、子どものことを中心に考えているような話が出た場合は、「東大生の6割がしていた勉強する場所ってご存じですか?」と聞いてみましょう。リビング学習は、東大生の6割が行っていた勉強場所とも言われています。
そのメリットとして、「分からないことを子どもがすぐ質問できる」「親が子どもの勉強の得手・不得手を把握しやすい」「わざわざ部屋に移動しなくても、さっと始める日常の習慣にしやすい」などが挙げられます。また、適度な生活音がある方が集中しやすく、生活音に神経質になりにくいという考え方もあります。
リビング学習の場所にも、ダイニング横のカウンター、リビングの一角、キッチンから見守れるスタディスペースなど、さまざまなプランがあります。自社の考える使い方や、モデルハウス内で実際に体感できる場所を見せながら提案してみてはいかがでしょうか。

庭で遊びたい家庭には「植栽計画」まで提案する
庭を活用していろいろ遊びたいと考えている家庭の場合は、「虫が寄ってきにくい植物の組み合わせを知っていますか?」と聞いてみましょう。庭で遊ぶのは楽しい一方で、虫が気になるという家庭も少なくありません。
植物の中には、比較的虫を寄せ付けにくいものもあるため、快適な庭遊びをする際には、植栽の組み合わせまで考える提案ができます。シンボルツリーにはソヨゴやアオダモ、花にはラベンダーやローズマリー、グランドカバーにはタイムなどを取り入れることで、庭で過ごす時間をより快適にする工夫として伝えられます。
「庭があります」「ウッドデッキがあります」だけで終わらず、そこでどんな時間を過ごせるのか、どのように手入れしやすくするのかまで触れることで、「そこまで考えている住宅会社」という印象につながります。植栽計画にも関心を持ってもらえれば、庭づくりや外構提案を含めた受注につながる可能性もあります。

多趣味な家庭には「収納は広さだけではない」と伝える
多趣味な家庭の場合は、「収納って広さがあればいいわけでもないってご存じですか?」と聞いてみましょう。収納が難しいのは、スペースがあっても、収納物と合わなければ無駄なスペースができたり、うまく収まらなかったりする点です。
キャンプ用品、スポーツ用品、ベビーカー、子どもの外遊び道具、季節家電など、家庭によって収納したいものは大きく異なります。そのため、収納は「どれくらい広いか」だけではなく、「何を、どこに、どうしまうのか」が大切です。
土間収納やスキップフロアを利用した収納、ファミリークローゼットなどを活用し、趣味のものをきれいに収納できることをアピールしてみてはいかがでしょうか。収納例として、実際のグッズなどをモデルハウス内に入れておくと、見学者はより具体的に感じやすくなります。

耐震性や省エネ性にこだわる家庭には「在宅避難」の視点を伝える
耐震性や省エネ性にこだわりがある場合は、「災害時の在宅避難が主流ってご存じですか?」と聞いてみましょう。災害時の避難というと避難所を思い浮かべる人も多いですが、自宅に居ながら災害を乗り切る「在宅避難」という考え方にも関心が高まっています。
高い耐震性能と断熱性能は、住宅の損壊を防ぎ、外気の影響を抑えてくれます。これに太陽光パネルや蓄電池の説明を加えることで、「災害時でも〇日安心」という具体的な話につなげることができます。さらに、電気自動車の利用などを合わせて説明すれば、省エネ性や災害時の備えとしての価値も伝えやすくなります。
ペットを飼っている家庭にとっても、災害時に避難所へ行かず、それまでの暮らしを大きく変えることなく安心して過ごせる住まいは、大きな関心を引くポイントになります。性能を数値だけで説明するのではなく、「万が一のときにも、家族がいつもの暮らしに近い形で過ごせる」という視点で伝えることが大切です。

これからの住宅営業は「暮らしをグレードアップさせる」提案へ
このように、見学者の暮らしをグレードアップさせるという観点で、新しい住まいを勧めてみてはいかがでしょうか。ユーザーが新しい住まいに引っ込み思案になっている時期だからこそ、ユーザーとの接点を持ち、ファン化していく試みが必要になってきます。
その第一歩が、「暮らしをグレードアップさせる」視点で話をするということです。住宅というハードを売るのではなく、新しい暮らしというソフトを手に入れてもらうという考え方です。
モデルハウスでは、間取りや設備を見せるだけでなく、その先にある暮らし方を体感してもらうことが重要です。見学者が「この家なら、自分たちらしい暮らしができそう」と感じられれば、価格高騰による不安で止まっていた気持ちも、前向きな検討へと変わっていく可能性があります。
住まポのスマート見学で、気軽な接点づくりを始める
そんなモデルハウス見学には、「住まポ」を利用した「スマート見学」が最適です。ユーザーは気軽にモデルハウスを見学し、住宅会社の提案する暮らし方を実体験できます。さらに、住まポから資料請求をしたり、次のイベント情報やオープンハウスイベントなどの情報を取得してもらうこともできます。
これは、今のユーザーの志向を取り込んだ、新しい接点の作り出し方です。また、住まポの見学後アンケートにより、モデルハウスの感想はもちろん、営業担当者の評価も獲得できます。幅広い層のユーザーが気軽に見学できるため、新築検討層だけでなく、新築以外のユーザー動向などのデータ収集にもつながります。
次のステップにつなげることができる住まポは、住まいづくりの入り口として、ユーザーが利用しやすいツールです。DX化の第一歩として低費用で取り組み、社員で情報を共有しながらフォローできる有益なツールとして、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
