2026.5.21

太陽光発電・蓄電池・電気自動車で住まいのエネルギー費を0円に近づける家づくり

太陽光発電・蓄電池・電気自動車で住まいのエネルギー費を0円に近づける家づくり

日々、物価上昇のニュースが飛び込んできます。ここ最近では、中東情勢の変化により、石油由来製品だけでなく、さまざまなものの価格にも影響が広がっています。家計を守りながら暮らしていくためには、毎月必ずかかるランニングコストをいかに減らすかが、これまで以上に大切になってきています。

暮らしにかかるランニングコストの代表といえば、光熱費や車のガソリン代などのエネルギー費です。電気代もガソリン代も、毎月コンスタントに発生する費用です。もし、このエネルギー費をできるだけ0円に近づけることができたら、家計への負担を軽くできるだけでなく、景気や国際情勢に左右されにくい暮らしにもつながります。さらに、災害時にも電気を確保しやすくなり、安心して生活できる住まいを目指すことができます。

電気代・ガソリン代の上昇で家計のエネルギー費はどう変わっている?

ここ10年間で、電気代やガソリン代がどのように変化してきたかご存じでしょうか。少しずつ価格が変化していると、「以前はどれくらいだったかな」と思っても、なかなか正確には思い出せないものです。

実際、日本ではこの10年ほどで物価上昇が進んでいます。たたき台でも触れられているように、総務省の消費者物価指数では、2022年以降に物価が大きく上昇し、2025年度平均でも前年比2.6%上昇となっています。特に家庭への影響が大きいのが、電気料金やガソリン代といった毎月必ず発生する生活固定費です。

電気料金の指数を見ると、2025年の電気代CPIは2015年比で約16%上昇しており、特に2022年以降は「電気代が急に高くなった」と感じる家庭も多くなっています。さらにガソリン価格も、原油価格や円安、中東情勢など、国際的な要因の影響を受けやすくなっています。

つまり、これからの暮らしでは、収入を増やすことだけでなく、毎月の固定費を減らすという考え方がますます重要になっていく可能性があります。

家計簿をつける主婦

太陽光発電・蓄電池・電気自動車を組み合わせた新しい暮らしのシステム

そこで今、注目されているのが、太陽光発電、蓄電池、電気自動車を組み合わせて、家庭のエネルギー費をできるだけ抑える暮らし方です。

以前の太陽光発電は、発電した電気を売って収入を得る「売電」のイメージが強い設備でした。しかし現在は、売電価格が以前より下がり、電気は高く買う一方で、売る電気の価格は安くなっている状況があります。

そのため、現在の太陽光発電は「売る」よりも「自分で使う」という考え方が主流になりつつあります。昼間に屋根で発電した電気を家で使い、余った電気を蓄電池にため、さらに電気自動車に充電することで、電力会社から買う電気を減らしていくことができます。

つまり、これからは「電気を買わない家」を目指す時代になってきています。

V2Hで電気自動車を家庭用蓄電池として活用する暮らし

ここで大きなポイントになるのが電気自動車です。電気自動車というと「高い車」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、住宅との相性は非常に良いといえます。

たとえば、通勤や買い物、子どもの送迎など、日常の近距離利用が中心であれば、軽の電気自動車でも十分に活用できるケースがあります。しかも、自宅の太陽光発電で充電できれば、いわば「燃料を自宅で作る」ような暮らし方が可能になります。

ガソリン車の場合、ガソリン価格の高騰や円安、原油価格の影響を直接受けやすくなります。しかし、電気自動車であれば、自宅で発電した電気を使えるため、エネルギー価格の変動による影響を小さくできる可能性があります。

さらに最近は、V2Hという仕組みにより、電気自動車を家庭用蓄電池のように使う考え方も広がっています。停電時に電気自動車から家へ給電できれば、冷蔵庫や照明、Wi-Fi、スマートフォンの充電など、生活に必要な電力を維持しやすくなります。普段の光熱費対策だけでなく、災害時の安心感を高める意味でも、電気自動車はこれからの住まいづくりと相性の良い選択肢といえるでしょう。

電気自動車を家庭用蓄電池のように使える「V2H」の仕組み

昼は充電
夜・停電時は給電

太陽光発電・蓄電池・電気自動車の導入費用は補助金で軽減できる?

一方で、「太陽光発電や蓄電池、電気自動車は導入費用が高いのでは」と感じる方も多いと思います。確かに、太陽光発電、蓄電池、電気自動車、V2Hはいずれも初期費用が大きい設備です。

しかし現在は、国の補助金や自治体の補助、税制優遇などを活用できる場合があります。特に東京都では、太陽光発電、蓄電池、電気自動車、V2Hを組み合わせることで、条件によっては大きな支援を受けられるケースもあります。電気自動車についても、重量税の免税や環境性能割の軽減など、税制面での優遇が用意されている場合があります。

つまり現在は、エネルギー自給型住宅を国や自治体が後押ししている時代ともいえます。

たとえば、東京都で太陽光発電、蓄電池、V2H、軽EV(電気自動車)などを組み合わせた場合、以下のような金額が目安として考えられます。

項目概算
太陽光6kW約60万円
蓄電池15kWh約120〜150万円
V2H約50〜100万円
軽EV(電気自動車)補助約100万円
税制優遇約10〜20万円
合計目安約340〜430万円前後

このように、補助金や税制優遇を活用することで、導入時の負担を大きく軽減できる可能性があります。初期費用だけを見ると高く感じる設備でも、長期的な光熱費やガソリン代の削減効果まで含めて考えると、住まい全体のランニングコストを見直すきっかけになります。

ただし、補助金や税制優遇の内容は、年度や地域、導入する機器、申請条件によって変動します。実際に導入を検討する際には、必ず最新の公式情報を確認することが大切です。

エネルギー自給型住宅を考えるときの注意点

もちろん、どの家庭でも同じ効果が出るわけではありません。太陽光発電や蓄電池、電気自動車を効率よく活用するためには、まず住まいそのものの「住宅性能」が重要になります。

断熱性能が低い住宅では、冷暖房に多くのエネルギーが必要になり、電力消費も大きくなります。せっかく太陽光発電で電気をつくっても、住まいの省エネ性能が低いと、エネルギーを効率よく活用しにくくなってしまいます。そのため、高断熱・高気密の設計や高性能サッシの採用など、住宅性能をしっかり確保することが大切です。

また、太陽光発電の発電量は、地域の日照条件によっても差が出ます。関東内陸部や太平洋側のように日照時間が長い地域では発電に有利な一方、日本海側や豪雪地帯では、冬季を中心に発電量が落ちやすい傾向があります。

実際に、年間日照時間をもとに比較すると、太陽光発電に向いている地域と、発電量に差が出やすい地域には次のような違いがあります。

太陽光発電に有利な県 BEST5

順位都道府県年間日照時間
1埼玉県約2,500時間
2群馬県約2,500時間
3山梨県約2,480時間
4静岡県約2,450時間
5茨城県約2,450時間

太陽光発電に不利な県 BEST5

順位都道府県年間日照時間
1富山県約1,750〜1,850時間
2島根県約1,720時間
3鳥取県約1,700時間
4秋田県約1,650〜1,800時間
5青森県約1,820時間

このように、同じ太陽光発電を導入する場合でも、地域の日照時間によって期待できる発電量には大きな差があります。そのため、導入を検討する際には、住んでいる地域の気候や日照条件、屋根の向き、周辺環境などを踏まえて考えることが大切です。

さらに、電気自動車についても注意したい点があります。電気自動車は、通勤や買い物、子どもの送迎など、近距離利用が中心の家庭とは特に相性が良い乗り物です。一方で、長距離の高速移動が多い家庭では、充電インフラの整備状況や航続距離、充電にかかる時間なども考慮する必要があります。

太陽光発電、蓄電池、電気自動車を組み合わせた暮らしは、エネルギー費を抑える大きな可能性がありますが、住宅性能や地域条件、ライフスタイルに合わせて計画することが重要です。

これからの家づくりは「エネルギーを守る家」へ

今後も、電気代やガソリン代、物価の変動リスクは続く可能性があります。そんな時代だからこそ、「家計を守る住宅」という考え方が重要になっていくかもしれません。

これからの住宅は、高断熱住宅に太陽光発電、蓄電池、電気自動車、エネルギーマネジメントを組み合わせた、半自給自足型の住まいへと進んでいく可能性があります。

家は、ただ住む場所ではなく、暮らしを守るインフラへ。そんな価値観の変化が、すでに始まっているのかもしれません。

エネルギー自給型の暮らしをモデルハウスで体感しよう

新しい暮らしのシステムについて、インターネットで情報収集することも大切です。しかし、実際にモデルハウスを見学し、どのような設備や工夫が取り入れられているのかを体感することで、より具体的に自分たちの暮らしをイメージしやすくなります。

また、多くのユーザーと向き合い、実際に建築した実績のある住宅営業の方に話を聞くことで、太陽光発電や蓄電池、電気自動車を取り入れた住まいのメリットや注意点も理解しやすくなります。

多くのモデルハウスを見学しながら、いろいろな営業の方やアドバイザーの方に相談したいなら、スマート見学がおすすめです。モデルハウス見学アプリ「住まポ」を使ったスマート見学なら、気軽に多くのモデルハウスを見学でき、話を聞いたり、資料請求をしたりすることも簡単です。

「住まポ」を使って、これからの暮らしに合った家づくりを考えてみませんか。後悔しない家づくりの第一歩として、まずはモデルハウスで新しい暮らしを体感してみましょう。

※本記事は、総務省統計局の消費者物価指数、東京都の住宅向け補助金情報、次世代自動車振興センターのCEV補助金情報、気象庁の気象統計データ等を参考に作成しています。補助金制度や助成額は年度・地域・申請条件により変動するため、最新情報は各公式サイトをご確認ください。

この記事を書いた人

古谷 武道

住宅づくりやリフォームについてお気軽にご相談ください。

古谷 武道 Takemichi Furuya

1961年生まれ。山形大学卒業後、建材会社へ就職。その後、広告会社に勤務し、広告営業及び制作を行う。総合住宅展示場の開発、運営に30年以上にわたり携わり、郡山北総合住宅公園川口ハウジングギャラリーなど多くの総合住宅展示場の開設を手掛け、2021年11月に定年退職を機に株式会社フルビズを設立。代表取締役に就任。
現在は、住宅を建てたい方やリフォームを検討されている方に向けて、長年の経験を活かし、コラム記事やSNSなどを通じた情報発信を行っている。 また、住宅展示場をより来場しやすい環境にするため、「住まポ」サービスの全国展開に誠意邁進している。

人気記事

関連記事