AI時代の住宅会社集客|モデルハウスの体感を相談につなげる

AI時代の住宅会社集客|モデルハウスの体感を相談につなげる

「家を建てたいけれど、何から始めればいいのか分からない」。これまで、そんなユーザーの多くは住宅情報サイトを検索したり、SNSで施工事例を見たり、住宅展示場へ足を運んだりして情報を集めてきました。その情報収集の入口に、AIへの相談という選択肢が加わっています。

LIFULL HOME’Sは、2025年12月に発表した2026年の住宅・不動産市場のトレンドワードのひとつに「住まい探しもAI相談」を選びました。また、同社のトレンド解説記事では、生成AI経由の流入割合はまだわずかながら、直近1年間で5倍に拡大し、AIで検索できる機能の活用意向は半数を超えると紹介されています。これからは、家族構成や予算、暮らしの希望をAIに相談し、家づくりを考え始めるユーザーが増えていくかもしれません。

住宅会社には、こうした情報収集の変化を踏まえながら、自社の強みを発信し、実際の見学へつなげる工夫が求められます。AIで調べた情報を、モデルハウスでの体感や比較によって確かめてもらう。その接点をどうつくるかが、これからの集客を考えるポイントです。

AI相談で変わる住まい探し 検索前の情報収集にも注目

従来のインターネット検索では、ユーザー自身がキーワードを考える必要がありました。例えば「注文住宅 埼玉 30坪 価格」「断熱等級7 メリット」「ファミリークローゼット 間取り」などです。一方、AIへの相談なら、希望がまだ整理できていない段階でも、暮らしの状況を文章で伝えることから始められます。

「30代夫婦と子ども2人。共働きで、できれば家事を楽にしたい。車は2台。予算は○○万円くらい。どんな家が向いている?」。このような相談を通じて、希望条件を整理したり、比較すべきポイントを考えたりできます。「予算4,000万円なら、どんな家づくりができる?」「収納を重視するなら、どんな間取りがいい?」「断熱性能と価格のバランスは?」といった疑問も、家づくりを考える入口になるでしょう。

AIチャット

実際にLIFULL HOME’Sでは、場所や条件を伝えて会話しながら物件を探す「住まい探しAIチャット」が提供されています。住宅会社にとって注目したいのは、ユーザーが自社のホームページを見る前に、AIとの会話で情報収集や候補の整理を進める可能性があることです。来場時には、すでに比較したい項目や質問を持っているかもしれません。

AI時代の住宅集客 自社の強みが伝わる情報発信を

住宅会社の集客では、SEO、SNS、広告、住宅ポータルサイトなどを活用して、まず自社のホームページを見てもらうことが重視されてきました。AIが情報収集の窓口として使われるようになると、「この地域でおすすめの住宅会社は?」「この予算で検討できる会社は?」「高断熱住宅を建てるなら?」といった相談から、住宅会社を探す人も増える可能性があります。

そこで大切なのは、会社名を知ってもらうだけでなく、「なぜ、この会社を検討するのか」が伝わる情報を蓄積することです。施工事例、住宅性能、価格帯、得意なデザイン、保証、アフターサービス、土地探し、地域特性への対応など、自社の特徴を具体的に発信していきましょう。

こうした情報整備は、ユーザーが自社を理解し、比較するための土台になります。AIの回答に必ず取り上げられるとは限りませんが、ホームページやSNSを、住宅会社の知識や実績を伝える情報資産として育てていくことは大切です。

AIだけでは伝わらない住宅の価値 モデルハウスで体感を

住宅には、文章や数値だけでは判断しにくい要素が数多くあります。「暖かい家です」「断熱性能が高いです」「収納が充実しています」「家事動線が優れています」と説明されても、実際に暮らしたときの感覚までは十分に伝わりません。

窓から入る光、LDKの広がり、床の感触、天井の高さ、収納の使いやすさ、キッチンからの家族の見え方、外の音の聞こえ方。そして何より、「この家で暮らしている自分たちの姿を想像できるか」という感覚です。LIFULL HOME’Sの賃貸向け内見解説でも、写真や図面だけでは把握しにくい設備の状態や、現地で確認したい騒音・日当たりなどが挙げられています。

モデルハウスで体感

注文住宅でも、情報として理解することと、空間の中で確かめることはそれぞれ意味を持ちます。AIの活用が進むにつれて、モデルハウス見学は、調べた内容を自分たちの暮らしに照らして確かめる機会として、役割がより明確になるのではないでしょうか。

AIで候補を整理し モデルハウス見学で暮らしを確かめる

これからの家づくりでは、例えば次のような流れが、今まで以上に自然になるかもしれません。

  1. 1.AIで情報を集める
  2. 2.自分たちに合いそうな住宅を整理する
  3. 3.実際のモデルハウスで体感する
  4. 4.気になった住宅会社を比較する
  5. 5.資料請求や相談へ進む

住宅会社が考えたいのは、情報収集が効率化する中で、現地だからこそ伝わる価値をどう見せるかということです。モデルハウスを、完成した家を見せる場所であると同時に、住宅性能を体験し、暮らし方を発見し、自分たちに合う住まいを比較できる場所として活用していきましょう。

断熱性能なら、室温や窓の近くでの感じ方を確かめてもらう。収納なら、家族が持ち込む物を想像しながら見てもらう。キッチンなら、料理をする人だけでなく、家族がどこで過ごすのかまで考えてもらう。室温などは外気温や空調の条件によっても変わるため、性能の数値や仕様の説明と体感を組み合わせることが大切です。こうした案内が、ユーザーの具体的な判断につながります。

複数のモデルハウスを比較することで見えてくる顧客の希望

AIを使った住まい探しで、あらためて考えたいのが「比較」の意味です。AIは条件に沿って候補を整理する助けになりますが、住宅はスペックだけで選べる商品ではありません。同じ30坪でも、会社によって間取りや素材、空間の感じ方が違います。同じ「収納充実」でも、その形や使い勝手はさまざまです。

複数のモデルハウスを見て、「この収納の考え方はいい」「このLDKのつながり方が好き」「この窓の大きさは気持ちいい」と感じることで、ユーザー自身も大切にしたいことに気づいていきます。住宅会社にとっても、見学で何に関心を持ったかを知ることは、その後の提案を具体化する手がかりになります。

だからこそ、気軽に見学でき、複数の住宅を比較できる環境づくりが大切です。その入口として活用できるのが、モデルハウス見学アプリ「住まポ」です。

住まポでつなぐ AIでの情報収集とリアルな比較体験

AIで情報を集め、SNSで施工事例を見て、住宅会社のホームページを比較する。その次の「実際に見てみる」を後押しするのが、住まポを使った見学です。「モデルハウスに入るのは少し勇気がいる」と感じるユーザーも、対応するモデルハウスで、ニックネーム登録や事前アンケートを済ませて気軽に見学できます。

いろいろな住宅を体感した後で、「もっと知りたい」と思った住宅会社に資料請求や問い合わせをする。この流れは、AIを使って希望を整理する家づくりとも組み合わせやすいのではないでしょうか。住宅会社にとっては、ユーザーが納得して次の一歩を踏み出せる接点になります。

住まポを使った見学

AIは、調べることや考えを整理することを助ける。住まポは、実際に見て体感する機会をつくる。そして住宅会社は、専門的な相談や提案を担う。それぞれの役割を組み合わせることで、情報収集から見学、相談へ進みやすい流れを整えられます。

AI時代に住宅会社が取り組みたい集客と営業の6つのポイント

AIによって住宅情報の集め方が変わる中で、営業担当者には、情報を伝えることに加え、ユーザーが集めた情報を整理し、判断をサポートする役割が求められるでしょう。自社の説明を一方的に進めるのではなく、何を調べ、どこに迷っているのかを確かめながら相談に応じることが大切です。

そのために、次のような取り組みを進めていきましょう。

  • ・自社の特徴や強みを分かりやすく発信する
  • ・AIや検索を通じて見つけてもらえるよう、具体的な情報を蓄積する
  • ・SNSやホームページで、実際に体験したくなる情報を発信する
  • ・モデルハウスでしか分からない価値を明確にする
  • ・見学後はユーザーの関心に合わせて、必要な情報を届ける
  • ・資料請求や相談につながる導線を整える

家探しが便利になっても、「自分たちの暮らしを実際にイメージできるか」は、住まいを選ぶうえで大切な判断材料です。AIで調べ、住まポを使って見学し、モデルハウスで体感して、納得したうえで相談する。住宅会社には、検索で見つけてもらうための情報発信とともに、「実際に体感してみたい」と思われる見学機会をつくることが重要になります。

住宅会社の集客を支える 住まポのスマート見学

ユーザーを住宅の体験へ導くきっかけになるのが、住まポを使った「スマート見学」です。気軽に見学して最新の住宅を体感し、複数の住宅会社を比較したうえで、資料請求や問い合わせへ進めます。見学後も、お知らせを通じてイベントやオープンハウスなどの情報を届けることで、次の接点につなげられます。

見学で得た体験が家族や知人との会話につながり、新築だけでなく、リフォームや建て替え、住み替えなどのニーズに接するきっかけになる可能性もあります。すぐに建築を決めるユーザーだけでなく、これから住まいづくりを考える人との関係づくりにも目を向けたいところです。

住まポは、モデルハウスの受付や見学者情報の管理、お知らせ配信などをデジタル化する仕組みとしても活用できます。AIで情報を集めたユーザーに、実際の住まいを体感してもらい、その後の相談へつなげるために。自社の集客や営業の流れに、スマート見学を取り入れてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

古谷 武道

住宅づくりやリフォームについてお気軽にご相談ください。

古谷 武道 Takemichi Furuya

1961年生まれ。山形大学卒業後、建材会社へ就職。その後、広告会社に勤務し、広告営業及び制作を行う。総合住宅展示場の開発、運営に30年以上にわたり携わり、郡山北総合住宅公園川口ハウジングギャラリーなど多くの総合住宅展示場の開設を手掛け、2021年11月に定年退職を機に株式会社フルビズを設立。代表取締役に就任。
現在は、住宅を建てたい方やリフォームを検討されている方に向けて、長年の経験を活かし、コラム記事やSNSなどを通じた情報発信を行っている。 また、住宅展示場をより来場しやすい環境にするため、「住まポ」サービスの全国展開に誠意邁進している。

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