2026.8.18

酷暑時代の家づくり|夏も快適な「暑さに強い家」のポイントとモデルハウス見学のコツ

酷暑時代の家づくり

テレビの天気予報で、「今日も最高気温は40℃近くまで上がる見込みです」といった言葉を耳にする機会が増えました。これまで、最高気温が35℃以上の日は「猛暑日」と呼ばれてきました。しかし近年は、35℃を超える日が珍しくなくなり、40℃前後に達する地域も見られます。こうした危険な暑さを表す言葉として、「酷暑日」という表現も注目されるようになりました。

もはや日本の夏は、単に「暑い季節」ではなく、命や健康を守るための対策が欠かせない季節へと変わりつつあります。そして、この変化は家づくりにも大きな影響を与えています。これからの住まい選びでは、デザインや間取りだけでなく、夏の暑さに強く、家族が快適に暮らせるかどうかも大切な判断基準になります。

酷暑時代は「家の中の暑さ」にも注意が必要

熱中症というと、屋外で起こるイメージがあるかもしれません。しかし、室内で発症するケースも少なくありません。

特に高齢者や小さなお子さんは、暑さを自覚しにくかったり、エアコンの使用を控えてしまったりすることで、知らないうちに危険な状態になることがあります。また、室内の暑さは、家そのものの性能や設計によっても大きく変わります。

例えば、次のような住まいは注意が必要です。

  • ・エアコンをつけても、なかなか涼しくならない
  • ・西日の影響で、夕方になると室温が一気に上がる
  • ・1階は涼しいのに、2階だけ異常に暑い
  • ・エアコンを止めると、すぐに室温が上がる
エアコンをつけても、なかなか涼しくならない

このような住まいでは、快適性が損なわれるだけでなく、家族の健康や冷房費にも影響する可能性があります。

夏も快適な家づくりで考えたい2つのポイント

前回のコラムでは、快適な家づくりに欠かせない「断熱性能」についてご紹介しました。今回は別の視点から、夏でも快適に過ごせる住まいづくりについて考えていきます。

夏の暑さに強い家は、エアコンが効きやすく、住まい全体の温度や湿度も安定しやすくなります。その結果、電気代の節約や、室内での熱中症リスクの軽減にもつながります。このような快適な住環境をつくるために、断熱性能とあわせて考えたいのが「日射・西日対策」と「換気対策」です。ここからは、それぞれのポイントを詳しくご紹介します。

1.窓の方位や外側の工夫で日射・西日を調整する

南や西から差し込む強い日差しは、室温が上がる原因のひとつです。特に大きな窓を設ける場合は、窓の方位や日差しの入り方をあらかじめ確認しておきましょう。暑さを抑えるには、日差しが室内に入る前に、窓の外側で遮る方法が効果的です。例えば、次のような工夫があります。

ブラインドシャッター
ブラインドシャッター
オーニング
オーニング
深い軒や庇
深い軒や庇

ただし、夏には暑さの原因になる日差しも、冬には室内を暖めてくれる大切な熱源になります。そのため、一年中ただ遮るのではなく、季節に合わせて日差しを調整できる設計にすることがポイントです。

2.土地の風向きと窓の配置から換気を考える

自然の風を住まいに取り込むには、その土地で「どの季節に、どの方向から風が吹くのか」を把握することが大切です。主な風向きが分かれば、窓を配置する際の参考になります。

また、風の入口と出口をつくり、部屋全体に風が流れるようにすることも重要です。可能であれば、1つの部屋に対して2方向に窓を設けると、風が通り抜けやすくなります。間取りによっては、高い位置に電動開閉窓を設け、室内にたまった暖かい空気を外へ逃がす方法も検討できます。

夏のモデルハウスで確認したい暑さ対策

暑さ対策への考え方や工夫は、住宅会社によって異なります。モデルハウスを見学するときは、次の点を比較してみましょう。

  • ・窓やサッシ、ガラスの性能
  • ・日差しや西日を遮る工夫
  • ・換気システムの仕組み
  • ・軒や庇の長さ・設計
  • ・1階と2階、部屋ごとの温度差
窓やサッシ、ガラスの性能を確認

「どの住宅会社も同じ」と考えず、複数のモデルハウスを見比べることで、それぞれの特徴や暑さ対策への考え方が見えてきます。

高気密・高断熱住宅も「実際の体感」が大切

住宅会社のホームページやカタログには、「高気密・高断熱」「断熱等級7対応」「省エネ住宅」といった言葉が並んでいます。もちろん、住宅性能を示す数値は、住まいを比較するうえで大切な情報です。しかし、実際にその家で暮らすのは人です。数字だけでは分からない快適さもあります。

モデルハウスでは、次のような点を自分の体で確かめてみましょう。

  • ・玄関を開けた瞬間の空気や温度
  • ・リビングに入ったときの涼しさ
  • ・吹き抜けがあっても快適に感じられるか
  • ・窓際に立ったとき、強い暑さを感じないか
  • ・時間帯によって日差しがどのように入るか
玄関を開けた瞬間の空気や温度を確認

こうした「体感」は、写真やカタログだけでは分かりません。実際にモデルハウスへ足を運び、「この家なら家族が一年中快適に暮らせそうか」という視点で確認することが大切です。

間取りだけじゃない!家族の暮らし方に合う暑さ対策をチェック

モデルハウスは、「豪華な家や間取りを見る場所」と思われがちです。しかし、本当に確認したいのは、「自分たちの暮らし方で、この家なら夏を快適に過ごせるか」という点です。

家族がLDKに集まることが多い場合

家族みんなでLDKに集まって過ごすことが多いなら、次の点を確認してみましょう。

  • ・吹き抜けがあっても、暑さを感じにくいか
  • ・大きな窓から強い日差しが入らないか
  • ・広い空間でもエアコンが効きやすいか

それぞれの個室で過ごす時間が長い場合

家族がそれぞれの部屋で過ごすことが多いなら、次の点も大切です。

  • ・家族全員が快適に過ごすには、エアコンが何台必要か
  • ・1階と2階で大きな温度差が生じないか
  • ・各部屋に風が通り、熱がこもりにくいか

そのほかにも、「玄関を開けた瞬間に暑くないか」「西日対策はどのようにしているか」「家事中に暑さを感じにくい動線になっているか」といった点を確認すると、実際の暮らしをより具体的にイメージできます。

後悔しない家づくりには複数のモデルハウスを比較しよう

人生で何度も家を建てる方は多くありません。だからこそ、最初から1社だけに決めるのではなく、できるだけ複数の住まいを見て、自分たちの家族や暮らし方に合う家を見つけることが大切です。

モデルハウスを比較すると、例えば次のような住宅会社ごとの違いにも気づきやすくなります。

  • ・窓の性能や配置に力を入れている
  • ・換気システムに特徴がある
  • ・日射を遮る設計に独自の工夫がある
  • ・家全体の温度差を小さくすることを重視している
日射を遮る設計に独自の工夫がある

酷暑が身近になったこれからの時代は、「見た目が好きな家」だけでなく、「夏でも快適に暮らせる家」を選ぶことが、家族の健康と暮らしを守ることにつながります。

この夏、住まポでモデルハウスの快適さを体感しよう

暑さが厳しい夏は、住まいの快適性を確認する絶好の機会です。モデルハウス見学アプリ「住まポ」なら、気になるモデルハウスを自分のペースで見学しながら、それぞれの住まいの違いを気軽に比較できます。話を聞いたり、資料を請求したりすることもできるため、家づくりの情報収集にも役立ちます。

カタログだけでは分からない「涼しさ」や「快適さ」を、実際のモデルハウスで体感してみませんか。今年の夏は住まポを活用して複数のモデルハウスを見学し、これからの酷暑時代に家族が心地よく暮らせる住まいを見つけましょう。

この記事を書いた人

古谷 武道

住宅づくりやリフォームについてお気軽にご相談ください。

古谷 武道 Takemichi Furuya

1961年生まれ。山形大学卒業後、建材会社へ就職。その後、広告会社に勤務し、広告営業及び制作を行う。総合住宅展示場の開発、運営に30年以上にわたり携わり、郡山北総合住宅公園川口ハウジングギャラリーなど多くの総合住宅展示場の開設を手掛け、2021年11月に定年退職を機に株式会社フルビズを設立。代表取締役に就任。
現在は、住宅を建てたい方やリフォームを検討されている方に向けて、長年の経験を活かし、コラム記事やSNSなどを通じた情報発信を行っている。 また、住宅展示場をより来場しやすい環境にするため、「住まポ」サービスの全国展開に誠意邁進している。

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