住宅会社の集客戦略|気軽な見学で見込み客を育てる!

「最近、モデルハウスへの来場が減った」「資料請求はあるけれど、商談につながらない」「イベントを開催しても、以前ほど集客できない」。多くの住宅会社が、こうした課題を感じているのではないでしょうか。
しかし、今の住宅市場で起きていることを、単純に「住宅を買う人が減った」と考えるのは早計です。住宅購入を諦めたのではなく、「高い買い物だから、もっと慎重に情報を集めてから動きたい」と考えているユーザーもいるでしょう。だからこそ、これからの住宅会社には、家づくりをどうしようかと迷っている段階から気軽に接点を持ち、情報収集や比較、体験を通じて、少しずつ購入意欲を高めてもらう仕組みが必要です。
今回は、住宅検討者が「気にしていること」「求めていること」「心配していること」「興味を持っていること」をデータから読み解きながら、これからの住宅会社の集客策を考えます。
今、ユーザーが気にしているのは住宅の「価格」
まず、避けて通れないのがお金の問題です。住宅価格や建築費の上昇は、ユーザーの住宅購入に対する心理的なハードルを高める要因になります。SUUMOリサーチセンターの「2025年 注文住宅動向・トレンド調査」では、注文住宅の建築費用は、土地代を除く全国平均で3,488万円。前年から73万円上昇し、同調査では過去10年間で最高値となりました。
一方、同調査では、注文住宅検討者の68.8%が「今が建て時」と回答しています。その理由として、今後の建築費用や金利の上昇を懸念する、お金に関する理由が上位に挙がっています。
つまり、ユーザーは「家が欲しい」と思うと同時に、「でも、高すぎないか」という不安も抱えていると考えられます。住宅会社には、価格だけでなく、工期や仕様も含めて、家づくりの見通しを伝えることが求められます。
価格への不安に対して住宅会社ができること
ここで重要なのは、「安い家」をアピールすることだけではありません。「総額はいくらになるのか」「住宅ローンはいくらまでなら無理がないのか」といった、ユーザーが家づくりを具体的に考えるための情報を提供することです。「デザインを優先するのか、性能を優先するのか」「設備にお金をかけるのか、素材にお金をかけるのか」など、限られた予算の中で何を選ぶかという視点も欠かせません。
「坪単価○○万円」という情報だけでなく、「3,000万円なら、どんな家づくりができる?」というユーザー目線のコンテンツが求められています。金額に含まれる費用の範囲を明確にしながら、予算と実現できる暮らしを結び付けて伝えましょう。

住宅購入でユーザーが心配しているのは「失敗すること」
住宅購入は、簡単にやり直せる買い物ではありません。だからこそ、ユーザーは「この会社を選んで大丈夫?」「この間取りで本当に暮らしやすい?」「収納は足りる?」「断熱性能は十分?」「もっとほかの会社を見たほうがいい?」と考えます。一社だけを見て決めるのではなく、複数の住宅会社を比較することを前提に対応する必要があります。
「住宅購入・建築検討者」調査(2025年)では、初めての購入・建築が62%である一方、買い替えと買い増しを合わせた二次取得も38%となり、2019年以降で最も高い割合となりました。住宅選びの経験者も含め、ユーザーの検討スタイルは多様化しています。
だからこそ、住宅会社は「比較されること」を前提にしましょう。「ぜひ他社と比較してください。そのうえで当社の良さを知ってください」という姿勢が重要になります。モデルハウスも、営業対象を見つけるだけの場所から、ユーザーに暮らしを考えてもらう場所へと変えていくことが大切です。
例えば、「平屋と2階建て、あなたの暮らしに合うのはどっち?」「必要な収納量はどのくらい?」「暮らしを豊かにするのはどんな間取り?」「住宅性能はどう違う?」など、ユーザー自身が考えながら見学できる仕掛けをつくります。これにより、モデルハウスは単なる商品展示から「暮らしの体験施設」へと変わります。
モデルハウス見学でユーザーが求めているのは「営業されない自由」
住宅展示場へ行く際の心理的なハードルとして、もう一つ大きいのが「営業されるのではないか」という不安です。「まだどうするか決めていない」「ちょっと見てみたいだけ」「個人情報を教えたくない」。そんな段階のユーザーにとって、いきなりアンケートの記入や営業担当者との会話を求められることは、負担になりかねません。
しかし、住宅に関する知識や情報は知りたい。この気持ちに応えるのが、気軽にモデルハウスを体験してもらう仕組みです。そこで活用できるのが「住まポ」です。事前にアプリをダウンロードし、ニックネームの登録と質問への回答を済ませれば、モデルハウスに設置されたQRコードを読み取って見学を始められます。見学時は氏名や住所の記入を求めず、気に入った住宅会社に情報を公開して相談できる仕組みです。
「新築・中古・リフォームのどれにするか考え中」「子どもの成長に合わせて考えたいから、もう少し先」というユーザーにも、まずはモデルハウス体験を通して自社の建物の良さを知ってもらい、ファンになってもらう方法が考えられます。これは、これからの集客において大切な視点です。「見込み客を集めて見学させる」という発想から、「気軽な見学から見込み客を育て、ファンを広げる」という発想へと変えられるからです。

「来場数」だけを追う住宅集客から「接点数」を増やす集客へ
住宅市場そのものも厳しくなっています。国土交通省によると、2024年の新設住宅着工戸数は79万2,195戸で、前年比3.3%減。2年連続の減少となりました。持ち家は21万8,175戸で前年比2.8%減、分譲住宅は22万5,135戸で8.5%減でした。2025年も、持ち家・貸家・分譲住宅のすべてが減少し、全体として減少しました。
こうした状況の中で、「イベントを開催して、一気に大量の来場者を集める」という従来型の集客だけに頼るのは難しくなっています。そこで重要になるのが、「まだ具体的ではないけれど、家づくりへの意欲がある人」との接点です。
例えば、「SNSを見る → 住宅関連情報を得る → モデルハウスを実際に見てみたくなる → 住まポで気軽に見学する → 気に入った住宅会社の資料を取り寄せたり、問い合わせたりする → モデルハウスへの再訪やイベントに参加する → 家づくりを具体化する」という段階的なユーザー導線をつくります。この「少しずつ関心を高めてもらう」という考え方が、これからの住宅会社の集客では重要になります。来場したその日だけでなく、その前後も含めて接点をつくることが、次の相談につながります。
SNSで興味を持ち、モデルハウスで体験する流れをつくる
住宅展示場へ足を運ぶ前に、SNSやホームページで情報を集めるユーザーもいます。住宅会社の紹介サービスを利用する場合も、「あなたに向いているのはこの住宅会社です」と紹介されるだけで、必ずしも納得できるとは限りません。さまざまな情報に触れられるからこそ、自分の好みや考えに合う住宅会社を、自分でも確かめたいと考える人もいるでしょう。
そんなユーザーにとって大切なのは、自分たちに役立つ情報を、安心して得られる方法があることです。SNSやホームページで見た内容を、実際のモデルハウス体験で確かめるまでは、営業を受ける不安なく情報収集できる環境を整えましょう。具体的な検討は、その後に始まることもあります。
SNSは「興味を持つ場所」、Webは「調べる場所」、モデルハウスは「体験する場所」。この役割分担を意識し、単に完成した家を紹介するだけでなく、「自分たちの暮らしならどうすればいいだろう?」と考えるための情報を提供することが大切です。この流れであれば、ユーザーは自分で体験し、納得した住宅会社の中から検討を進められます。自分たちで選んだという実感が、迷いを減らし、住宅会社との認識のずれを小さくすることにもつながるでしょう。
これからの住宅集客は「売る」より「体験してもらう」
住宅価格の上昇や住宅着工戸数の減少が見られる中、住宅会社には、慎重に検討するユーザーへの対応が求められています。しかし、慎重であることは、住宅への興味がなくなったということではありません。「失敗したくないから、もっと知りたい」という気持ちに目を向けることが大切です。
だからこそ、今必要なのは、自社の良さを知ってもらい、体験して実感してもらい、つながりをつくることです。ファンになってもらったうえで、周囲への紹介や情報の拡散につながる可能性も含めて対応しましょう。ユーザーが自分のペースで家づくりを進められる環境をつくり、モデルハウスを「暮らしを体験する場」として活用することで、「すぐに契約できる人」から「これから家づくりを考える人」まで対象を広げられます。

売上獲得は当然目指しますが、それだけを急ぐと、ユーザーが納得しないまま話が進み、トラブルやクレームにつながりかねません。目の前のユーザーには、その家族や友人など、多くの人とのつながりがあります。その中には、新築やリフォーム、建て替えや住み替えなど、さまざまなニーズがあるかもしれません。見学体験を起点に、紹介やSNSという現代の口コミを通じて、新たな接点を広げることも考えられます。
モデルハウスは、自社の特徴を体感してもらうとともに、営業担当者やアドバイザーを通じて親近感を持ってもらえる場所です。ネットやカタログだけでは得られない接触の機会を活かし、相談先として信頼してもらえる関係を育てていきましょう。

新しい住宅集客に役立つ住まポのスマート見学
ユーザーが住まいづくりに慎重になっているときだからこそ、モデルハウスを体感してもらい、接点を持ち、ファンになってもらうことが、次の見込み客獲得につながります。
そんなモデルハウス見学に活用できるのが、「住まポ」を利用した「スマート見学」です。気軽に見学して最新の住宅を実体験し、住まポから資料請求や問い合わせをしたり、お知らせを通じて次のイベント情報を得たりできます。ユーザーの関心に合わせて、新しい接点をつくる方法です。
体感したユーザーを起点に、周囲のリフォームや建て替え、住み替えなどのニーズへとつながる可能性もあります。見学から次のステップへ進める住まポを、住まいづくりの入り口として、また住宅会社の集客や受付のデジタル化に取り組む方法として、検討してみてはいかがでしょうか。
