最近のニュースでは、一般住宅への強盗が多発している様子などが取り上げられています。今までは、不在時の空き巣対策が求められてきましたが、これからは在宅時にも安心して暮らせる防犯対策が必要になってきます。
家づくりにおいて、防犯対策は住まいの安全性と家族の安心を確保するために重要な要素です。現代では新しい技術や工夫が取り入れられ、従来よりも高いレベルでの防犯対策が可能になっています。以下では、防犯を考慮した設備や仕様について詳しく解説します。
間取りや外構の工夫
玄関などの入口部分は道路から視認でき、周辺に隠れたり見えない場所を作らない様にしましょう。植栽なども目線を遮るような背の高いものをは避けましょう。2階からの侵入を防ぐため1階部分の外構に足場になりそうなものを設置しないようにしましょう。
2階のベランダも要検討です。2階からの侵入口となる可能性があります。室内干しのできるスペースが確保できていれば、ベランダで洗濯物を干すという事もありません。意外とベランダを使わずに、コケが生えてきたり、漏水の原因になったりという事もあります。最近では、ベランダのないスッキリとした外観の家も増えています。
スマートセキュリティシステムの導入
IoT技術の進化により、スマートフォンから自宅のセキュリティを管理できるシステムが普及しています。例えば、次のような機能が防犯対策に有効です。
- スマートロック:鍵の閉め忘れを防ぎ、遠隔操作で施錠・解錠が可能。
- 防犯カメラ:リアルタイム映像確認や録画機能により不審者の特定が容易。
- 動体検知センサー:不審な動きを検知し、警報や通知を発信。
中部防犯カメラセンターによると、2024年6月時での市街地の戸建て住宅の家庭用防犯カメラの普及率は31.0%という調査結果が出ています。また、セキュリティ会社との契約により、侵入や非常時に駆けつけてもらえるホームセキュリティサービスの契約率は3.7~3.8%となっていますが、この数値は、治安が良いとされる日本がアメリカの20%と比較して低い水準にとどまっていることを示しています。
しかし、2024年の日本における凶悪犯罪は、2023年と比較して124.2%と急激に増加しており、ホームセキュリティの普及が日本でも求められる時代になってきていると言えます。

物理的な防犯設備の強化
最新のスマート技術だけでなく、物理的な対策も重要です。
- 高性能な玄関ドアと窓ガラス: ピッキングやこじ開けに強い製品を選ぶことで侵入リスクを低減。防犯フィルムの施工や鍵を見えなくする戸先錠の採用などが効果的です。
- シャッターや雨戸の設置: 窓からの侵入を防ぐために効果的。電動雨戸だと窓を開けずに操作できるのでさらに安心です。

センサーライトと街灯の配置
不審者の行動を抑制するために、敷地内外にセンサーライトを設置することは効果的です。夜間でも明るい環境を作ることで、防犯意識を高める効果があります。ホームセンターなどで安価なものも販売されていますので、簡単に導入しやすい防犯対策と言えます。
地域と連携した防犯対策
地域の防犯活動や隣人との連携も重要な要素です。見守り活動やセキュリティ情報の共有は、地域全体での防犯意識を高め、犯罪の抑止力となります。強盗などは下見をする事が多いようです。不審な動きをする人や普段見かけない人などに注意を払っておくことも大事です。
終わりに
防犯対策は間取りなどの仕様、技術的な設備と地域の協力などを組み合わせることで効果を最大化できます。安心して暮らせる家づくりを実現するために、これらのポイントを取り入れていきましょう。